外界からの刺激を感じる働きと、それによって起こる意識。
主な刺激の種類として、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚や、温覚(おんかく)・冷覚(れいかく)・痛覚(つうかく)などが挙げられる。
生体内外のさまざまな刺激が感覚器官を介して中枢に伝えられたとき直接に生じる意識現象。
リンゴに対し、赤い、冷たい、なめらかといったさまざまな性質が感じられるが、これが感覚であり、それに対して、赤いリンゴというように対象を統一的・全体的にとらえることは知覚作用だとされる。
しかし感覚と知覚の関係については様々な議論があり、感覚は理論上想定された抽象物にすぎず、意味をもった知覚こそが、経験の基礎となるというのが現代哲学の大勢である。
感覚は受容器(感覚細胞)や刺激の種類によって分類され、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、皮膚感覚(触覚、痛覚、温覚、冷覚)からなる外感覚と、生体内部からの刺激源に起因する深部感覚、内臓感覚、平衡感覚などの内感覚とがある。
内感覚は外感覚と違って感覚の種類の区別や局在が不明確な場合が多い。
また,一般に視・聴・嗅・味・触覚を五感と呼ぶ。
すべての感覚は刺激がある一定の大きさをもたないと起こらず、感覚を起こす最小の刺激の大きさを閾(いき)という。
受容器から出る感覚神経は大脳皮質の感覚野に到達、多くのものは身体の左半分の受容器からくるものは右半球の大脳皮質へ達するという反対側支配である。
皮膚感覚と深部感覚に関する体性感覚野と、味覚野、視覚野、聴覚野に囲まれた領域は連合野と呼ばれ、さまざまな感覚、過去の経験をもとにして知覚を営む場所とされ、ヒトの新皮質ではよく発達している。